薬剤師薬剤師の求人倍率は?
薬剤師は昔から「安泰」と言われることが多い職種です。
結論、薬剤師の求人倍率は全国平均で3.57倍*と高い数字を維持しています。
*令和6年度
しかし、ここで一度立ち止まってみましょう。
薬剤師の求人倍率が高いということは、一体どういうことを意味しているのでしょうか?
昔から人気の職種であれば、求人倍率は低くても良さそうです。
そして、それはあなたにとってメリットなのか・デメリットなのか。
2026年の時代背景も踏まえながら、「求人倍率が高い」という言葉を、もう少し現場目線で見ていく必要がありそうです。
私は20年以上病院で働いていますが、知り合いの部長から「募集をかけても応募がこない」という切実な悩みを聞いたばかりです。
この記事では、薬剤師の求人倍率や人手不足の現状を整理しながら、“数字だけでは見えない現実”について、現場目線でお話ししていきます。
薬剤師の求人倍率が全国平均3.57倍は何を意味するのか?
先ほどもお伝えしたように、令和6年度時点の薬剤師の求人倍率は、全国平均で3.57倍です。
これは、1人の薬剤師に対して、3件以上の求人がある状態を意味しています。
「なんだ、薬剤師ってかなり転職しやすそうだな」
そう感じた方もいるかもしれません。
ただ、ここは少し冷静に見る必要があります。
薬剤師の求人倍率は、昔からずっと同じ数字だったわけではありません。
実は2013年頃、薬剤師の求人倍率は10倍を超えていました。
この時代は、本当に「薬剤師=安泰」と言われていた時期です。
しかし2026年現在、薬剤師の求人倍率は3.57倍まで下がってきています。
ここに関係しているのが、薬剤師数の増加です。
2013年時点で約28万人だった薬剤師数は、2026年には約33万人まで増えています。
薬科大学の増設などにより、薬剤師の数そのものが増えてきたためです。
つまり、ここ10年ほどの変化だけを見ると、薬剤師不足は以前より落ち着いてきているとも言えます。
薬剤師の求人倍率が全国平均3.57倍に隠れる真実
先ほどから挙げている求人倍率3.57倍は、全国平均です。
つまり、地域によって差があることを意味します。
そこで、令和6年のハローワーク求人統計データで全国の値を確認してみましょう。
| 北海道 | 3.12 | 石川県 | 11.22 | 岡山県 | 9.48 |
|---|---|---|---|---|---|
| 青森県 | 8.03 | 福井県 | ー | 広島県 | 6.36 |
| 岩手県 | 3.91 | 山梨県 | ー | 山口県 | 5.66 |
| 宮城県 | 3.00 | 長野県 | 4.93 | 徳島県 | 7.62 |
| 秋田県 | 5.06 | 岐阜県 | 8.62 | 香川県 | 5.01 |
| 山形県 | 5.05 | 静岡県 | 4.46 | 愛媛県 | 8.24 |
| 福島県 | 6.60 | 愛知県 | 2.99 | 高知県 | 4.13 |
| 茨城県 | 4.89 | 三重県 | 3.70 | 福岡県 | 3.13 |
| 栃木県 | 9.97 | 滋賀県 | 2.68 | 佐賀県 | ー |
| 群馬県 | 3.58 | 京都府 | 3.65 | 長崎県 | 5.85 |
| 埼玉県 | 1.99 | 大阪府 | 2.10 | 熊本県 | 3.54 |
| 千葉県 | 2.48 | 兵庫県 | 2.58 | 大分県 | 7.32 |
| 東京都 | 2.11 | 奈良県 | 2.10 | 宮崎県 | 4.17 |
| 神奈川県 | 1.55 | 和歌山県 | 3.74 | 鹿児島県 | 4.56 |
| 新潟県 | 7.30 | 鳥取県 | ー | 沖縄県 | 4.29 |
| 富山県 | ー | 島根県 | ー | 全国平均 | 3.57 |
神奈川県は1.55倍・埼玉県は1.99倍なのに対し、石川県は11.22倍・栃木県は9.97倍という数字になっており、同じ薬剤師でも働く地域によって状況がかなり違うことが分かります。
また同じ県内であっても、利便性のよい中心市街地に人気が集中しやすく、少し離れるだけでも求人が難しい状態です。
つまり、全国平均3.57倍という数字だけを見ると“薬剤師はどこでも人手不足”のように感じますが、実際は地域差がかなり大きいです。
実際に私が勤める病院の薬剤師は、人手不足の状況に陥っておらず、欠員に対する補充も早いです。
しかし、隣の市の病院では、半年間募集をかけても応募がこないという状態です。
つまり薬剤師の求人倍率が高いことはメリットなのか?
医療現場で20年以上、多くの医療従事者を見てきた私の感想から述べると、今も昔と変わらず「薬剤師の存在価値は高いまま」です。
実際、ここまで全国的に求人が出続けている時点で、薬剤師という資格の需要そのものは、まだ強いと言えるでしょう。
特に高齢化が進む2026年現在、薬物治療・在宅医療・地域医療の重要性はさらに高まっています。
一方で、AIの進出や業務効率化など、薬剤師を取り巻く環境が変わり始めているのも事実です。
だからこそ今後は、「薬剤師だから安心」ではなく、“どこで・どう働くか”によって、働きやすさや将来性が大きく変わる時代になっていくのかもしれません。
また、求人倍率とは裏腹に、施設単位で見ると医療従事者の給与ははっきり言って横ばいです。
今の職場に大きな不満はない。
ただ、
「もう少し年収を上げたい」
「働き方を変えたい」
そう考えた時に、転職・派遣という選択肢を持ちやすいのは、薬剤師という資格の強みとも言えるでしょう。
求人倍率3.57倍という数字は、薬剤師が“働き方を選びやすい立場”にあることを意味しています。
まとめ|薬剤師の求人倍率3.57倍は「選べる時代」を意味している
薬剤師の求人倍率は、2026年現在も全国平均3.57倍と高い水準を維持しています。
ただ、その中身を見ていくと、昔ほど極端な人手不足ではなくなってきている一方で、地域によってかなり差があることも分かります。
同じ県内でも偏りがあり、“全国平均だけでは見えない現実”があるのです。
一方で、今も薬剤師という資格の需要自体は高いままです。
だからこそ今後は、「薬剤師だから安心」ではなく、“どこで・どう働くか”がより重要になっていくのかもしれません。
もし今、
「今後の働き方を少し考えてみたい」
そう感じているなら、薬剤師転職市場の変化を整理してみるのも一つです。
→ 【2026年】薬剤師の転職市場はどうなる?今後の変化と動くべき人の特徴


また、
「高時給で柔軟に働きたい」
「派遣という選択肢も気になる」
そんな方は、薬剤師派遣の現状も一度確認してみると良いかもしれません。
→ 薬剤師派遣会社おすすめランキング|高時給で失敗しない選び方を現場視点で解説










